|
投稿者 ・ 半熟チョモランマ | |
恐怖談復活!…ということで一発目として私、半熟めが綴ります。 悪い癖で長文になってしまうと思いますが、よろしければお読みくださいませ。 ― それは、かれこれ約3年前の冬。 当時お付き合いしていた女性がいまして。 彼女は学生で一人暮らしをしていて、僕が遊びに行った時のお話。 彼女の住んでいたのは、築数十年の歴史あるアパートでして、 玄関に入ってすぐ右側にキッチン、左側はトイレと風呂場があり 正面には曇りガラスの戸を隔ててリビングがありました。 陽も とっぷりと暮れた頃、 僕と彼女はガラス戸に背を向けるようにしてTVを見ていました。 そこで、彼女が何気なくトイレに行きました。 それはもう、いつも通りごく自然に。 僕はというと、彼女がトイレに行った後もまたいつも通りにTVを見続けていたんですが 僕はなんとなく、後ろの曇りガラスの戸の方を振り向きました。 特に理由も無く、なんとなくです。 すると、それとほぼ同時に、トイレの方からキッチンへ向かって 彼女がスーっと横切ったのが曇りガラス越しに見えました。 女性のトイレに要する所要時間など、全く知る由もありませんが、 僕はなんとなく「もう出たのか、早いな。キッチンにある鏡でも見に行ったのかな」などと思い ねじれた上半身を戻して、再びTVの視聴を始めました。 その数分後、背後から水洗トイレの流れる音。そしてドアが開閉し、手を洗う音がしました。 ・・・それからまもなく、彼女はリビングに戻ってきて再びTVに食いつきました。 人間、日常の中であまりにも不自然なことが起こると思考が停止しちゃうんでしょうか。 その時、僕はその矛盾に対して深く考えず、TVを見ていました。 あれ?何かおかしいぞ。彼女が二回トイレから出てきてる。 そう感じたのは翌日になってからでした。 僕は『見てしまった』かもしれないと思い、彼女に言おうか迷いましたが 今も住んでいる家で言うのはちょっとまずいだろうと、胸にしまっていました。 見間違いかもしれないし、無駄に怖がらせるのはよくないです。 さて、その数ヵ月後。 彼女が引越しをしましたので、僕はあの時に見たことを彼女に話しました。 するとなんと、彼女も見たことがあるとのことでした。 長い黒髪に白い服を着た、上半身だけで浮いた人を。 やはり、僕が見たのは霊的な何かだったのでしょうか。 ▲ |
|
Copyright (C) 2004- Fujimaru, Hida All rights reserved. |