リーダー・ピストン日記 〜桜木神社編〜

この日記は「史記」のレポート上で語られていない粗塩日本の実情について書きたいと思う。
とりあえず、これに関する「史記」を読んでから、ここを読んで欲しい。
このページだけ作りが質素だが、他の使者にばれないようにしなくてはならない故、許していただきたい。
このページが他の使者にばれたりしたら…それこそ一貫の終わりである。
「かまいたちの夜」というゲームをご存知であろうか?あれと同じである。
ここでひっそり皆様に伝えたい。
ただの心霊HPのように見えるこのHPも、本当は未曾有の中にいるのだ。


9月7日 23時29分

半熟が帰った後、いろいろ考えみた。
今後粗塩様に仕えていく上で、人間同士の不毛な争いはいかがなものか。
気持ちが散漫して、粗塩様の使命をしっかり考えられなくなるんじゃないか。
その結果、明日、半熟と湘南を家に呼ぼうと思う。
家に呼んで、二人の間を取り持って、今後の活動に支障が出ないようにしようと思う。
…うまくいくだろうか。


9月8日 20時45分

あと15分もしたら湘南が我が家のドアを叩く。
これほどまでに緊張するのは久しぶりだ。
半熟は30分前にやってきた。今はコンビニにタバコを買いに行っている。
半熟と湘南についてもう一度話してくうちに、彼の心のうちもよくわかった。
「湘南とはうまくやっていきたい。しかし、頭でわかっていても体が拒否反応をしめすんだ。さしずめ僕にとって
彼は結核だ。その存在でもって僕を蝕んでいく。ならばリーダー。リーダーは僕のBCGになってくれ。
別に僕はアイドルじゃない。グラビアで脱ぐわけじゃないから、いくら跡がついても問題はない」
と、村上春樹口調で僕に訴えてきた。8割方言っている意味がわからなかった。
しかしわからないなりにも、今日できるだけやってみたいと思う。
よし、そうだ。
今日ツアーを開こう。近場でまだ行っていていない心霊スポットがあるはずだ。
確か恋と恐怖の感情は似ているから、恐怖してるはずなのにいつの間にか恋をしてしまっている、という話を何か
の本で読んだことがある。よし、これをうまく応用しよう。
…しかし、うまく二人の間をとりもつことができるだろうか。
正直、なんで他人のためにここまでしてやらなきゃいけないのかがわからない。面倒くさすぎる。
粗塩様という要がなかったら、こんなヤツラ…いや、湘南なんぞ山に埋めてしまっていること間違いナシだ。
絶対に海には捨てないぞ。栄養分を吸って復活しそうだ。ワカメの如く。


9月9日 8時4分

ああ、僕は非力だ。


9月9日 21時39分

僕が非力なのか、奴がバカなのか。
後者であれ。


9月10日 20時18分

思い出すたびに溢れ出てくる奴の馬鹿さ加減に、家のTVを殴り壊してしまった。
今、手は包帯でグルグル巻きにされている。見た目の割りに傷は浅いらしい。
一週間もすれば完治するとのことだ。
さて、今回のツアーだが、まあ、史記を見ての通りである…二人の仲は癒えることなく。
ちなみに今回の史記はほぼ半熟が一人で作ったものだ。
「我慢できなかったせめてもの報い」だそうだ。
『確かに今回は半熟が悪い。湘南が折角歩み寄ったのに半熟は思いっきり無視をしたからだ…』
とでも書けば読んでいただいた方は納得できるだろうか。
前述したとおり、今回は半熟が一人で製作したものだ。
あんな自分の分が悪いことばかりを書けるだろうか?大抵の人間は書けない。彼もそれにはずれない。
確かに半熟は湘南の持ちかけを無視した。
しかし、それはあそこに描かれていないひとつの事が起きたからだ。
史記内にも書いてあったが、今回のツアー前数日には雨は降らなかった。
なので決して湿気が多いということはなかった。

なのに、だ。ていうか、湿気が多くても、そうはならない。

なにがかというと、今回のツアー中、突然湘南が口をパクパクし始めたのだ。
湘南のパクパク行為にドン引きする半熟。
僕が「なにやってるの?」と湘南に尋ねると「いやいや(パクパク)、湘南の(パクパク)海のね…(パクパクパ
ク)」と答えた。
意味がわからない。
「もうちょっと詳しく教えて?」と聞くと「湘南の海のね(パクパク)…し…(パクパク)、湿気がね(パクパク)、ここ
まで流れてきているんだ(パクパク)。だから、口に頬張ってるんだ(パクパクパクパク…)。」と言ってきた。
これ以上気まずい空気が流れるのを防ぐために、僕はすかさず「パクパクパク…お前はヨンハか!」
と突っ込んだが、さらに気まずい空気になってしまった。
史記で僕がブチ切れていた写真があったと思うが、僕はその突っ込みの後の、流れる悪い空気に対してブチ
切れたのだ。
なんで僕の意図を汲み取ってくれない?
なんで僕にだけつらい思いをさせる?
湘南はわざとこういう行為をして僕を苦しめているのか?
今まで胸に秘めていた様々な思いのダムが、突っ込みをきっかけに決壊したのだ。
しかし、僕はこいつとは違う。大人だ。
ブチ切れたが、あえてその思いはぶつけずに「なんで虎髄こないんだよぉおおおおおお!」とトンチンカンな事を
とっさに叫んだ。(虎髄は僕の手でメンテナンスに出したのに)

粗塩様を連れて行かなくてよかった…。
あんな姿は絶対に見られたくない…。