リーダー・ピストン日記 〜小峰トンネル編〜

この日記は「史記」のレポート上で語られていない粗塩日本の実情について書きたいと思う。
とりあえず、これに関する「史記」を読んでから、ここを読んで欲しい。
このページだけ作りが質素だが、他の使者にばれないようにしなくてはならない故、許していただきたい。
このページが他の使者にばれたりしたら…それこそ一貫の終わりである。
「かまいたちの夜」というゲームをご存知であろうか?あれと同じである。
ここでひっそり皆様に伝えたい。
ただの心霊HPのように見えるこのHPも、本当は未曾有の中にいるのだ。


9月18日 12時23分

今日は学校だ。学校、まぁ、つまるところ大学だ。
普段は粗塩様の勅命をひしと受け、使者という神聖な立場に徹している僕も、一枚剥げばただの学生だ。
二枚剥げばただの肉。
つまらない授業を流しそうめんの如く聞き流し、昼休みになる。
すると、粗塩様から電話がかかってきた。
どうやら次に行くであろう小峰トンネルの下見に行け、とのことだ。

思い起こせば3年前。粗塩様と出会った夏。
粗塩様はまるで野犬のような方だった。僕に対して敵意を曝け出し、また牙をむきだしていた。
『俺は塩辛い狂犬だ』
それが当時の粗塩様の口癖だった。
当時は僕のことなど全く信用してくれなかった。
粗塩様の志を聞いたのも、出会ってから半年後だ。
そして、月日は流れ、志を汲み取る使者は増え、今ではこのようなネットの世界にも進出し、
多くの人からその志を買ってもらっている。
そして、、、なにより、粗塩様が、僕のことを、信用してくださっている…。
その嬉しさといったら、無い。
一番尊敬する人物に、これだけ頼りにされるだなんて、なんたる幸せなことだろうか。
体の芯が熱くなる。心臓は16ビートを刻む。大声で叫びたくなる。
ああ、粗塩様、粗塩様。

9月18日 16時33分

授業が終わり校門から出ると、奇妙な男が険しい表情で校門の横に立っていた。
まだ暖かいっていうのに、厚手のシャツ。黒地の長ズボン。そして、帽子ですっぽり頭を覆っている。
しかし、目立つのはその長身。
その長身でもって、右手には携帯をもち、左手には生肉を持っていた。
携帯は誰かにかけているというわけでなく、ただ、持っていた。生肉もしかりだ。
例えるなら、大阪の食い倒れ人形に携帯と生肉を持たせてみた、そんな状態だ。
一体、何をするための準備行動なのだろうか。
すると男は見つめる僕に気づいたらしく、満面の笑みでこちらに走り寄ってきた。
手に持つ生肉が肉汁の飛沫を上げ、ぶるんぶるんと横に揺れる。
さらにその汁は下校中の学生に襲い掛かる。
怪訝な顔で男を見る学生達。中には泣き顔の女学生もいる。
しかし、その男はよく見ると、半熟だった。
僕は大慌てで半熟を連れ、校内のトイレに向かった。
そんなわけで、今の日記はトイレで携帯から記している。
トイレに行き半熟に何をしていたのか聞こうとした途端、『そこにトイレがあるなら、俺は排便をする』と
トイレにこもったまま出てこないのだ。
一体、なんなのだ…。

9月18日 20時20分

そうか。もうあれから4時間たつのか。時間がたつのは早いものだ。
とりあえず、今は下見に行く小峰トンネルの近くのコンビニにいる。
そして半熟がタバコを買いに行っている。
暇なのでさきほど学校で起きた一部始終を記そう。
とりあえず、半熟がトイレにこもった理由。それは持っていた生肉と関係があった。
どうやら半熟は経済的にひっ迫しているらしく、お昼は安く済まそうと生米と生肉を学校に持って行ったらしい。
しかし、学校では調理できないことに気づいた。されど、腹は減る。
仕方がないので生米を無理やり胃の中に流し込み、生肉も食べようとしたところ、
友人達から「半熟、それを食ったら友達やめるよ」と言われ断念したらしい。
そして、生米のリバウンドが我が学校に来たときに訪れた、と。そういう理由だ。
で、半熟が我が学校に来た理由。それは粗塩様に僕と一緒に小峰トンネルの下見に行け、と言われたかららしい。
なんだ、粗塩様は僕だけに使命を託してくれたわけではなかったのか。

しかし、ここまで来るまでの車中、ずっと半熟は生肉を握り締めていた。
捨てろ、と言っても決して捨てようとしなかった。
「それじゃあ湘南と似たようなもんだぞ!」と厳しく言うと、寂しそうな表情をし、生肉を走る車の窓から投げ捨てた。
宙を飛ぶ生肉。
半熟は生肉が見えなくなるまで、窓から身を乗り出し、生肉の行方を追っていた。

半熟が、おかしい。

9月19日 2時9分

もしも僕の爪が鋭く硬い鉄の爪なら、半熟を八つ裂きにしたい。
もしも僕の目からレーザーがでるなら、八つ裂きにした半熟を熱く焼いてやりたい。
もしも僕がコックなら、その半熟の肉を鳩に食べさせたい。

9月19日 222pk132;jf;あ

なんだなんだなんだ!
半熟は一体どうしたのだ!
いや、どうかしたわけではない、元々ああいうやつだったのだ!
なぜ、それに気づかなかった!
いや!気づいていた!気づいていたが、やつの媚薬に心をそそのかされたのだ!
そうだ、ヤツは元々そういうやつだった!
空気読まない、責任逃れをする、
少しでもヤツに心を許した自分が憎い。
…いや、憎むべき相手は自分ではない。ヤツだ。半ああsじゃj打祖jフォ意;絵うぉdちぁいおlじょいdwじょい;!!!!
半熟め、下見ではなく実際に霊場の調査を行ったことを、僕のせいにしてきやがった!
「ピストンに無理やり従わされた。俺は必死に必死にとめたのに、ピストンが自らが諸侯であることを武器にし、かつまた
盾にし、俺を無理やり霊場に連れて行った。俺は嫌だったのだ。俺は止めたのだ」
一言一句忘れない。
この裏切りの言葉は僕の心の中に深く根付く。
そして根付いた恨みはいつしか実を宿し、また、種子の残す。
僕は半熟を許さない。
半熟への恨みは、無限対数だ。増えていく。

9月20日 18時10分

なんとか粗塩様の誤解を解くことが出来た。
誤解、つまり、昨日半熟が口走った出鱈目な文字の羅列だ。
まあ、粗塩様曰く半熟の言葉は鼻から信用していなかったらしい。
さすが、粗塩様だ。
半熟め。ざまあみろ。
粗塩様はなんでもお見通しなのだ。

そうそう、その後粗塩様にマッサージをしてあげた。
「これが本当の塩もみだな」
粗塩様のギャグはいつだって地球を揺るがす。